岩澤雄司国際司法裁判所裁判官へ「名誉博士」称号授与~学生との懇談会も開催~
2018年12月17日(月)、学術情報総合センター10F大会議室において、岩澤雄司国際司法裁判所裁判官への「名誉博士」称号授与式が開催され、荒川学長より名誉学位記が授与されました。
授与式後のあいさつで、岩澤氏は本学在籍時のことを「自由な雰囲気の中でのびのびと研究できたことに、心より感謝しています。私の主な業績は市大時代のものです。」と話されました。授与式後は国際法を学ぶ法学部3年生の3名との懇談会に出席され、初めて大阪に赴任したときの思い出や、2025年の万博開催が決まった大阪に期待することなどを国際的な視点より語っていただきました。また、学生からも国際法や現在の仕事についてなど多くの質問が飛び出し、「さまざまな国籍の人が集まる国際司法裁判所において仕事をする上で心がけていらっしゃることは?」という質問には、「誠実に全力で取り組むことが大事。国際社会における法の支配を促進するために、協力して最善の判決を下すために努力している。」とお答えいただきました。最後に「これからも頑張って勉強を続けてください、期待しています。」と言葉をかけていただき、出席した学生一同は大いに励まされました。
昨年6月、小和田恆氏に続き日本人として4人目の国際司法裁判所裁判官に選任されました岩澤氏は、1982年4月に本学の助教授に着任されてから1996年4月に東京大学に移籍されるまで、14年間にわたり本学で教育?研究に貢献されました。その間刊行された『条約の国内適用可能性』(1985年)や『WTO(世界貿易機関)の紛争処理』(1995年)は何れも日本の国際法学の必読文献となっています。また、自由権規約委員会の委員?委員長やアジア開発銀行の行政裁判所裁判官等として国際的に活躍。国内では法務省難民審査参与員や内閣府の「第三国定住有識者会議」座長など、社会活動にも大きく貢献されています。国際司法裁判所裁判官への選出は、岩澤氏のこれまでの取り組みが国際法学者として世界で認められた証であり、本学はこれらの功績が名誉博士に値するものとみなし、昨年9月27日に岩澤氏に称号授与いたしました。