大学院共通教育科目?産学連携講座「化学産業論」を開講しました
平成29年10月5日(木)、本学は一般社団法人 日本化学工業協会のご協力のもと、大学院共通教育科目として産学連携講座「化学産業論」を開講しました。この講座は、日本化学工業協会?化学人材育成プログラム」の取り組みの一つです。日本化学工業協会に加盟し、本プログラムに賛同する36社の中より講師をお招きし、主に理学研究科および工学研究科の化学系前期博士課程の学生を対象に、?学問としての化学がどのように産業と結びつき、社会に貢献してきたか」を主テーマに講義をしていただきます。
第1回目は、三井化学株式会社の渡部英司氏が「ソリューション?プロバイダーとしての化学産業」というタイトルで講義され、生活の基盤となる衣食住に焦点を当てて化学産業の歴史を振り返り、肥料や合成繊維などの身近な例を挙げながら、化学が解決してきた課題について説明されました。理学研究科、工学研究科以外にも生活科学研究科、看護学研究科、創造都市研究科からも受講希望者が集まりました。
また、講義前には春山 豊日本化学工業協会常務理事と中沢 浩理学研究科長、理学研究科教員との懇談会も開催され、今回の講座が「現在学生の研究していることがどのように産業や実社会に結びついているか」、「将来どのような進路が考えられるのか」等を学生が考えるよい機会になる、という期待の声が聞かれました。
【化学人材育成プログラム】
平成22年10月に一般社団法人 日本化学工業協会が、日本の化学産業における国際競争力の強化と産業振興の基盤となる若手人材の育成を目的に、大学院化学系専攻(博士後期課程)を産業界が支援するプログラムとして創設しました。現在、産業界の人材ニーズに応えて先進的な取り組みを行う専攻に対し、奨学金の給付や、企業と学生との相互交流、就職支援などを行っています。
※本講座についての記事が、10月11日(水)化学工業日報に、10月23日(月)日刊工業新聞に掲載されました。
◆受講した学生の感想(一部)◆
「化学産業論(第1回)を受講することで化学がどのように社会の課題を解決してきたかを知ることができました。また大学で化学を勉強している今のうちから、化学産業の現状と今後の課題について学ぶことが重要であると感じました。」
「人間社会の発展における化学の歴史的背景を踏まえて、過去から現在に至るまでの企業の取り組みを知ることができました。衣食住に基づいた身近な話題であり、「快適な」生活を送るための化学的アプローチは非常に興味深いものでした。また、講義ではいくつもの発問を交えて「積極的な対話」が求められていたことが印象的でした。自身の意見や考えを積極的に発表するということは、それ自体は単純なことではありますが、社会で求められる根本的な能力であることを強く意識しました。」
「ソリューション?プロバイダーをキーワードに化学産業の実際を興味深い例と共に学習できる講座だった。ポリマーの特性や工業的な製造法を知れただけでなく、最先端のポリマー素材の実物を手元で触れるのは非常に刺激的だった。また、インタラクティブな雰囲気の講座だったので最後まで非常に楽しく聴講できた。」
「化学産業論を受講して、より化学は人々の生活に欠かせないものであり、化学的な課題の解決は求められていると確認出来た。一方で、技術者であってもビジネスとして化学産業がどのようにあるべきかを考えていかなければ、技術者として立ち行かなくなっていくのではないかと危機感も覚えた。」