医学部附属病院にて「感染症対応訓練」を実施しました
平成26年12月22日(月)、医学部附属病院にて「感染症対応訓練」が実施されました。当院は第一種感染症指定医療機関(※1)ではありませんが、大阪府指定地方公共機関であり、今後の新たな感染症に対する大学病院としての対応が期待されています。そして、国内で流行したことがない感染症が発生した場合に、継続的に診療が行える体制を確保するために、毎年対応訓練や研修等を実施しており、今年は、感染制御部の掛屋 弘(かけや ひろし)教授主導のもと、院内で第一類感染症の疑いのある患者さんが発見されたという想定で訓練を行いました。
今回の訓練は、①当該診療科での対応方法、②感染制御部の行動検証、③院内各部署の応援体制、④大阪市保健所との連携、⑤接触したと思われる患者さんや職員からの聞き取り調査方法、⑥患者搬送用のカプセル型ストレッチャーの動線確認の6点を検証ポイントに定め、本番さながらの緊迫した訓練となりました。第一類感染症の治療は指定医療機関でしかできないため、今回は大阪市保健所と連携し患者さんを安全に搬出することが任務でしたが、搬出する際に院内にウイルスを蔓延させないよう細心の注意が必要となり、気の抜けないものでした。また、患者さんを搬出し終えた後の部屋の消毒や従事した医師?看護師のPPE(※2)の着脱、感染ごみの処理方法などについても重要な確認事項となりました。
※1 第一種感染症指定医療機関???一類感染症の患者の入院医療を担当できる基準に合致する病床を有する医療機関
※2 PPE???Personal Protective Equipment 個人用防護服
訓練終了後には、大阪市保健所と大阪市総合医療センターで行った訓練の記録映像を見て、改めて訓練内容や問題点を確認しました。その後、感染対策研修会と題し、国際感染症対策室医長の加藤康幸先生に「エボラ出血熱~アフリカでの診療に学ぶ~」という内容でご講演いただき、医学研究科及び医学部附属病院で勤務している多数の教職員が参加しました。
今回の訓練を通じて、各自の役割や外部機関との連携について確認できたとともに、不備のある点や新たな課題なども見つかり、大変有意義なものとなりました。今後、この訓練内容を生かし、より一層充実した医療サービスを提供できるよう取り組んで参ります。