メディカルスタッフも活躍! カンボジアでの腎不全医療支援
日本では一般的な透析治療ですが、外国では知識?技術?環境の不備などでなかなか実施できない場合があります。医学研究科 泌尿器病態学(代表?仲谷 達也教授)の長沼 俊秀講師を中心とするチームは、NPO法人「いつでもどこでも血液浄化インターナショナル」の活動の一環として、2015年以降たびたびカンボジアを含む東南アジア諸国に出向き、出張講義や技術指導を行っています。
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本学の学術協定先であるセンソク国際大学(プノンペン)の医学部を会場として行われるJAC-DSC※セミナーは、カンボジアの医学部生と研修医を対象とした腎不全領域に関する集中セミナーです。NPO法人「いつでもどこでも血液浄化インターナショナル」が企画?推進を担当し、日本国内の大学や関連病院などから医師、臨床工学技士、栄養士が講師として参加しています。本学からは泌尿器病態学の内田 潤次准教授、長沼 俊秀講師、臨床工学技士の花岡 吾子技士(当時大学院生)などが現地に赴きました。
※Japanese Assistance Council of establishing Dialysis specialists system in Cambodia
数日間にわたる集中講義では、最終日に試験が行われ、成績優秀者は日本での研修に参加するというシステムを取っています。講義に加え、透析設備の点検、透析機器に使用する水の清浄化の指導、現地の医師への手術の指導も同時に行われています。2019年は、本講義(8月22日および23日)と第4回カンボジア腎臓学会(24日)がジョイントで行われました。
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長沼講師は、「通常業務のある中で海外支援を行うのは容易ではありませんが、とてもやりがいのある仕事です。カンボジアは水回りなどのインフラ、医療制度や学会なども未整備の部分があります。国内の学会が機能しないと新技術や研究の推進動力も弱いため、今年は講義の翌日に学会を行ったことにも大きな意義があると考えます。また本プロジェクトでは、医師のみならずメディカルスタッフ※※も指導者として大活躍しています。特に腎不全医療は多職種によるチーム医療であるため、今後、本学医学部附属病院のメディカルスタッフも参加しやすい環境を作っていきたいですね。チーム力を生かした、サステナブルな国際医療支援ができればと思っています。」と振り返りました。
※※看護師?臨床工学技士など、医師以外の医療スタッフ
泌尿器病態学では2015年から現在までに、カンボジア、ラオス、モンゴル、ミャンマー、ベトナムの5ヵ国へ出向いて腎不全治療に関する医療支援を行っています。また2016年以降、ベトナム、ラオス、カンボジア、ネパール、インドネシアからの医師研修を医学部附属病院で受け入れ、活発な国際交流を行っています。