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教育?学生生活

交換留学レポート(アイルランド ダブリン市立大学)

交換留学レポート(アイルランド ダブリンシティ大学)
文学部3年生 東口夏樹

こんにちは。文学部3年生の東口夏樹です。私は2018年9月から2019年5月まで約8か月間、アイルランドのダブリンシティ大学に第1期生の交換留学生として留学へ行きました。アイルランドと言っても、日本での認知度は比較的低く、私も出発前には「アイスランド!寒い国に行くんやね!!」と何度言われたかわからないくらい皆に勘違いされました。(笑)確かにアイルランドは日本とにとってはなじみの薄い国なのかもしれません。でも実は、首都ダブリンには多くの日系企業が存在していたり、道路は左側通行、他のヨーロッパ諸国に比べて大人しく控えめな国民性は日本と似ている部分だな、と1年弱暮らして気づきました。

また、長年隣国、英国の支配下だったこともあり、言語はもちろんですが、文化の面でもイギリスに大きく影響を受けている国です。そして何より、美しい自然とギネスビールに代表されるパブ文化の根付いた魅力的な国です。


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~授業~
ダブリンシティ大学は2セメスター制で、私はhumanities と呼ばれる人文学部の授業を前期と後期それぞれ履修しました。多くの留学生が学ぶDCUでは英語非ネイティブの学生に向けた授業も多く開講されていて、前期はそのような授業を中心に、コミュニケーション論の授業を履修していました。前期の授業で1番印象に残っているのは、ディベートの授業です。毎週1つの国際時事問題や社会問題をトピックとして扱い、学生は賛成反対に分かれて議論するのですが、クラスメイト(他国からの留学生)は社会問題について圧倒的な興味、関心の高さを持っていて、さらにそこに語学力の高さも相まって私はただただ圧倒されるばかりでした。毎週必死にトピックについて調べて情報収集をし、英語で考えをまとめて授業に備えていたことも今となっては懐かしい思い出です。その他の科目でも、授業内でディスカッションやグループプレゼンテーションも頻繁に課されたため、異なるバックグラウンドを持つ留学生同士と上手くコミュニケーションを取りながら協力して1つのものを作り上げる経験を積むことが出来、コミュニケーション力だけでなく、チームの中で自らを客観視して行動する力が身についたと思います。後期からは自分の専門以外の授業も履修してみようと思い、ジェンダー論やグローバリゼーションに関する授業にも積極的に取り組みました。日本ではジェンダーの勉強などしたことがなかったのですが、日本と比べて男女格差や性的マイノリティへの理解の進んでいるアイルランドにせっかく来ているのだから、と思い履修してみて、新たな知識が身についたことはもちろんですが、それまでは気が付かなかった視点から日本の現状について考えるようになりました。自分の専攻分野以外の授業にも積極的に取り組んだおかげで、語学力の向上以外の面でも成長することが出来たと思います。

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~課外活動~
全学生のうち6分の1が留学生であるほど留学が盛んなDCUは、ヨーロッパをはじめとする世界中の様々な国の大学と提携を結び、交換留学生を受け入れています。そのため大学の留学生の受け入れ態勢は十分に整っており、国際センターの対応なども含めて留学生のサポート体制は充実していると感じました。また、部活動やsocietyと呼ばれるサークル活動も数多く存在し、それぞれ活発に活動している印象を受けました。私は留学生同士の交流を目的としたサークルに参加し、そこでたくさんの仲間に出会うことが出来ました。皆、文化が違えば違った考え方を持っていて、彼らと日々コミュニケーションをとる中で、私自身刺激を受けることも多かったです。放課後には学校の中にあるバーでビール片手にいろんな話をし、金曜日の夜にはその後みんなでナイトクラブへ行って遊んだりもしました。また、DCUは人文学部の中に日本語学科を持つアイルランドでも数少ない大学で、日本語を勉強する現地の学生もたくさんいました。私は後期の授業から、アシスタントとして、1年生と2年生の日本語クラスに参加するボランティア活動もしました。それ以外にも、相互に学習する言語や文化を教えあうことで、学生同士の交流を促進させる機会を大学側も積極的に提供していて、留学生の受け入れ態勢はかなり整った大学であったと思います。

アイルランドは島国ですが格安LCCが発達していて、各ヨーロッパ諸国へ手軽に旅行することが出来ます。私は留学期間中の休暇を利用して11か国を旅行しました。どの国もそれぞれの歴史を持つ美しい国ばかりで思い出深いです。ドイツ、スペイン、フランスへ行った際にはDCUでできた留学生の友達のもとを訪ねました。アイルランド留学は、近隣諸国への旅行がしやすいことも醍醐味の一つであると思うので、これから留学に行かれる方がいたら、是非いろんな国へ行き、現地の文化を肌で感じてほしいと思います。

  
 
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8か月間の留学生活の間、毎日が楽しくて基本的にホームシックになったりすることは無かったのですが(笑)、言いたいことがうまく言えない自分に腹立たしくなったり、自らの語学力が本当に向上しているのか自問自答し、時にネガティブな感情になることもありました。でも、落ち込んだりしたときもいつも笑顔で優しく私のことを受け入れ、支えてくれる優しい友達のおかげで、乗り越えることが出来、改めて友達の大切さ、そしてそんな仲間が日本だけでなく世界のほかの国にできたことは、本当に幸せなことだな、と感じています。沢山の学びを得たこの留学ですが、やはり人との出会いは、かけがえのない1番大切な財産となりました。

キリスト教のお祭りであるSt. Patrick's Dayはアイルランドが発祥の地と言われています。町中が緑色に。
キリスト教のお祭りであるSt. Patrick's Dayはアイルランドが発祥の地と言われています。町中が緑色に。

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最後に、沢山の友達に恵まれて充実した毎日を送り、無事に留学生活を終えることが出来たのも、周りのみんなの支えなくしてはなかったと思います。市大の先生方や職員の方々をはじめ、家族や友人、私の留学に関わってくれたすべての人に感謝しています。この体験記が、将来アイルランドやそれ以外の国で、海外留学を目指している方の参考に少しでもなれば幸いです。

東口夏樹